皆さんはご家庭で“石鹸”を作ったことがありますか?
私たちは今、エコタウンにある福岡大学資源循環環境制御システム研究所(通称“資環研”)が主催している「エコスクール」を受講しています。
先日、その第4回授業で「廃食用油から石鹸・BDF作り体験」を行いました。
講師は資環研の竹下先生と九州山口油脂事業協同組合の須藤部長で、最初に4人グループに分かれて廃食用油からBDF燃料(バイオディーゼル燃料)を作りました。
作り方はとっても簡単です。
水酸化ナトリウムと廃食用油を混ぜ、反応を待ち、静置し冷却させるだけです。が、水酸化ナトリウムは劇物であるため取り扱いには十分注意が必要です。
また、分量は正確にそれぞれ計る必要があります。さらに、反応を促進させるために加熱しながら、5分おきに30秒攪拌する必要があります。これを繰り返すこと6回です。
この工程を経て「脂肪酸メチルエステル」が試験管上層部に「グリセリン」が下層部に分離します。この脂肪酸メチルエステルがBDFとなります。実際に一番反応の良かったグループのBDFにライターで火を付け、よく燃えることを確認しました。
そして、次に石鹸作りです。苛性ソーダと水を混ぜたものを加えます。苛性ソーダに水を加えると発熱する性質があるので、この作業は事前に準備済みです。その中に廃食用油を加え、上下に激しく二の腕の運動になるほど振ります。30秒振って、10秒休憩。また30秒振って、10秒休憩という作業を5分以上繰り返します。そして、液体がドロッとしてきたら、石鹸の型に注ぎます。完全に石鹸が出来上がるまでそのまま1ヵ月待ちます。
BDF作りも、石鹸も作業工程自体は少ないのですが、丁寧で正確な作業が必要で、単純に繰り返すことも面倒だと感じる面もありましたが、実際に自分で廃食用油からBDFや石鹸を作ると、中に含まれている成分を理解でき、また、その原料や製品は環境に優しいものという事を感じることができました。
今回、資環研の実験室でビーカーや試験管、ピペットを使って作業をしましたが、学生時代に戻ったように真剣に作業に取り組んでいらっしゃる受講生の皆さんが印象的でした。指導していただいた講師は受講生の質問にも丁寧に答えてくださり、私も学生時代にこういう先生に出会えていたら化学が好きになっていたかも・・・なんて考えてしまいました。
事前の準備や後片付けなどはすべて、資環研のスタッフの皆さんにしていただいたので、安全でスムーズに作業を進めることができました。大変お世話になりました。「エコスクール」は残すところあと2回です。次回の授業も楽しみにしています。【N・K】