プレス機の上下連動を水平方向に変換させるユニットと、階段状の水平トレイを組み合わせて、電源を一切必要とせずに安全確実にプレススクラップを排出させるシステム。エアブロー等を使った従来の方法に較べ、電力コストを削減。作業環境(騒音、スクラップ飛散)改善や、取付け調整手間・金型段取り時間の短縮を実現。
プレス機の金型に取り付けられた、まるで「キツツキ」のような形の小さな機械。プレス機の上下運動にあわせ、リズミカルに水平運動を繰り返し、プレススクラップを排出する。電源は不要、極めてシンプルな構造である。この小さく画期的な機械が、松本工業㈱の「ピクシー」だ。
従来のプレススクラップ処理はシューターと呼ばれる斜路(すべり台)や別電源のエアブローにより排出させていたが、電力コストをはじめ、排出不良による製品・機械に与える損害や作業者の安全性、ダストの飛散による作業環境の悪化、斜路のスペース確保等さまざまな問題を抱えていた。ピクシーはこれら諸問題を一気に解決したのである。既存のプレス機にも簡単に設置できるうえ、設置前提でプレス機を設計した場合はプレス金型自体を小型化できる。この世界初の画期的な機構と省エネ性が評価され、2003年にグッドデザイン賞の中小企業庁長官特別賞を受賞している。
松本工業㈱は昭和41年、北九州で創業。40年以上の歴史を持つ企業である。現在では自動車産業向けの部品を主に手がけており、製造工場の現場は創意工夫にあふれている。製造ラインはロボット以外全て自社製である。「製造現場はアイデアの宝庫、まずは自分で造ってみる」をモットーに、製品のみならず、製造ライン自体も社員一人ひとりが日々改良を加えているという。同社では製造現場=商品企画部門なのである。「ピクシーは協力企業のプレス機の不具合を見た後、帰りの新幹線の中でアイデアが閃き、開発を始めました」開発者の松本常務は語る。閃いたアイデアはその日のうちに図面を引き、次の日には試作品作りに取り掛かる。この社風は社員のみならずパート社員にまで浸透している——ピクシーが生まれたのは偶然ではなく必然だったのである。
わが社のものづくりの基本は「現場」にあります。現場での日々の改善をしつこく繰り返す事で想像もしていなかった製品が誕生しました。良い製品を開発し供給することで社会に貢献でき、それが結果的に環境問題に役立てば幸いです。
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